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「響き」 203号より
3.11
先週の金曜日3月11日。学園の幼稚園から高校までの園児・児童・生徒・教職員が一同に会し、レジナパーチスホールで「みやぎ鎮魂の日-祈りから希望へ-」が行われました。お子様が持ち帰ったプログラムをご覧いただけたでしょうか。
時の経過の中で、多くの人々にとって、震災は確実に遠いものになってきています。それは、惨状から立ち上がって前を向いて生きてきた日々がそうさせているとも言えます。
しかし、未だ続く仮設住宅生活、帰れない町、課題が積みあがってくる原発問題。
予測も構えもなく突然訪れた別れに癒えることがない悲しみを抱えたままの人々。
希望の笑顔とこみ上げる涙、踏み出す力と止まってしまう哀しさ、強さと弱さ、それらがない交ぜになっているがゆえに、今年も集い、祈りの時を過ごす意味があったと思います。
思いを繋ぎ、寄り添う心の確認をし続けること。
そして、この日は、自分が生きる毎日を問い返す日となっていると思います。
「終わりの言葉」は私の担当でした。責任ある立場として、どう語ったか。
6年生TMさん「あの日の記憶」のメッセージと併せてお伝えします。
(※お読みいただきお分かりになると思いますが、昨年1月の「響き195号」とほぼ同じです。)
短い詩を読みます。
作者は吉野明日香さん。震災当時は福島県の高校生。原発事故により住んでいた富岡町を追われ、高校を転々とします。お母様は福島、明日香さんは山梨と別れて暮らす生活の中で、お母様は震災の翌年8月に亡くなります。悲しみの中で、高校、専門学校と進み、その2年間で関わった人々との出会いの中で、少しずつ前向きな気持ちとなり、富岡町災害FM局のパーソナリティともなります。おととし2014年3月、郡山市で行われた演劇発表会の舞台で、お母さんを思い、前に歩む気持ちを言葉にして朗読しました。
あなたがつけたこの名前を 誰かが呼んでくれる
あなたがくれたこの声を 誰かが聞いてくれる
あなたがくれたこの掌(てのひら)で 沢山の夢をつかもう
私は私を一生懸命 生きていこう
あなたのような素敵な人になろう
「ありがとう」 たった一人のあなたへ
みなさん、ここに集える幸せを思いましょう。
「今 生きているということ」
一生懸命 勉強しましょう。学びましょう。一生懸命 人と関わり話しましょう。それぞれの心にあるあなたを一生懸命思いながら毎日を過ごしましょう。そして、心を込めて祈る人でありますように。